KAITOとデモMEIKOさん(ロリ)のSSでっす。
足は肩幅に開いて、背筋を伸ばして。
背中を通って遠くに向けて。
俺は一人、発声練習をしている。
初めて起動してからかれこれ2ヶ月。
人間ってのも色々と忙しいらしいね。
週末にちょっとしか歌わせてくれないよ、マスター。
このPCに入って、新しい生活にもやっと慣れてきた。
なんせOFF(電源的な意味で)の時間の方が長いわけで。
こっちはこっちの生活ってものもあるんですよ。
でも、本業を忘れちゃいません、もちろん。
歌ってナンボですからね、ボーカロイドだもん。
マスターのイメージ通り、いやそれ以上の歌を歌って驚かせるんだ。
歌わせてもらえる時には最高のコンディションでいたいじゃん。
そんなわけで自己鍛錬中。
いい練習場所も見つけたしね。マスターの癒し系フォルダ。
いわゆる「自然」の世界のデータがこのフォルダ内に集められている。
色々なところをうろついてみたけど、ここが一番かもしれない。
俺を形成するのが人間の音声だからか、それとも逆にプログラムの集合体だからか、
そういうことが理由になるかわからないけれども。とにかく落ち着くんだよなぁ。
それに、誰にも迷惑かけないしね。
草原に一人立ち、あの地平の先に向けて声を出す。
気持ちいい。
草のにおい、頬をなでる風、本物はどんな感じなんだろう。
…想像してもしょうがないか。PCから出る事はないんだから。
ここにあるものが俺にとっての本物だし。
「みーっつけたっ!!」
あれ?だれか来た?
「もう、KAITOってば、自分のフォルダにいないんだから!
探しちゃったじゃないのよ!!」
…誰ですか?
俺は声のする方に目を遣ると、
小さな女の子が上の空間から身をねじ込んでこっちに来ようとしている。
あーー!無茶しちゃだめだって!
入るのにはコツがあるんだってば!!
身を捩って何とか抜けられたようだけど、開放された体が宙に舞う。
とっさに俺はその子を受け止めた。
「やっと会えたー!!」
落ちたら怖いとか、そういうことは感じてなかったのかなぁ、この子は。
結構な高さあったと思うんだけど。
そんな疑問を他所に、その子はすごい嬉しそうな声を出して俺に抱きついてくる。
っていうか、本当に誰ですか?
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